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本屋が知り合いにいると、いいことがあるなあと感じました。
正確に言うと「知り合い」ではなく、「義理の父」なんですが。

北海道内で執筆活動を続けている佐々木譲さんという作家の作品に興味がある、と、本屋を営む妻の実家にいったときに義父に話したところ、即座に数冊の書名が出てきました。

その中で『ストックホルムの密使』の名前だけは聞き覚えがあったので、ぜひ読みたいと話したところ
「ではまずこれも読みなさい」と同じ佐々木氏の書いた『ベルリン飛行指令』と『エトロフ発緊急伝』という
2冊+『ストックホルムの密使』上下巻をあわせて貸してくれました。


すぐにでも『ストックホルム』にとりかかりたい気持ちを抑えて『ベルリン』から読み始めると・・・・・・これがべらぼうに面白い。
吸い込まれるように『エトロフ』に突き進むと、両者には共通する登場人物があり、時代背景も数年後。

この2冊を読んだ上でようやく『ストックホルム』をいましがた読み終えたわけですが、これが大正解。

最後の最後で、前段の2冊をしのばせるウィットにとんだ後日談が挿入されていて、壮大な三部作のカーテンコールを拍手で迎えることができました。

『ベルリン』と『エトロフ』を先に読んでいなければ、この愉悦は半減していたことでしょう。
書店の平積みから面白そうな本をあさるのも楽しいですが、よき水先案内人に導かれる読書もまた楽しからずや、ですね。

上記の三作は第2次世界大戦時の秘められたエピソードを紐解く形で進む秀作ミステリーです。
三作それぞれ主人公は違いますが、人々が戦争という川の流れに否応なしに流されていく中で、必死に抗い、
自らの価値観を貫き通す過程が克明に描かれています。

「いまさら第二次世界大戦なんて・・・・・・」と思うかもしれませんが、三作を貫くテーマは「祖国とはなにか」という不朽の大命題です。

甘ったるいお子様カレーに飽きたら、スパイシーな本格カレーをどうぞ!
ってな比喩で、果たして伝わるかしらん!?
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